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    書道 ] 第71回毎日書道展毎日賞受賞された永田灌櫻先生の作品は何という字だったでしょう?


    JUGEMテーマ:書道

     

    先日、既報の永田灌櫻先生の毎日賞受賞作品を紹介させていただきます。

    一昨年は、「劇」で毎日賞、昨年は「鷹」で秀作賞、

    そして、永田先生の今年の作品は、「誓」です。

     

    大字部門での毎日賞受賞作品は、2086作品の中から15作品が選ばれたそうです。

    こちらが、「誓」(ちかい)という字です。

    昨年、先生の師匠の桑山先生が亡くなられて、

    今年からは、自分ひとりで作品を決めていかなければならないという

    新しい書道家人生の局面を迎えて、そこに独立という気概と決意があって、

    それを表現するために

    この「誓」という字を選ばれたそうです。

    永田灌櫻先生

     

    誓という字は、ほとんど、大寺に使われたことがなく、

    それを敢えて使ったところが、永田先生の心意気なのでしょう。

    そして、飛沫があがっているところに、この作品の重厚さと勢いを感じます。

    審査員の先生の評では、大字では、逆三角形になっていると立体感が出てよいそうで、

    この作品についても立体感を感じるというようにおっしゃっておられました。

     

    永田灌櫻先生の毎日賞受賞作品

     

     

    「誓」の下半分をクローズアップすると、

    墨の色の変化や、滲み、飛沫などがよく分かると思います。

    こういうところまで考えながら作品を作られているところに敬意です。


     


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      書道 ] 毎日書道展に行ってきました。


      JUGEMテーマ:書道

       

      新国立美術館、乃木坂にあります。

      毎日書道展前期展 I期に行ってきました。

      素晴らしい作品ばかりですが、筆者はあまり素養が無いので、

      分かりづらいものも結構あります。

       

      しかし、勢いのある字、安定感を感じる書、選り取り見取りで、面白いです。

      とにかく、日本の最高峰の書道展、そして、その中でも審査を勝ち抜いた方々の

      作品を見るというのは楽しいものです。

       

      一階には、役員や理事、審査員の作品が展示されていて、

      二階が公募参加や会員の作品が展示されていました。

       

       

      毎日書道展

       

      毎日書道展

       

      昨日は、毎日賞受賞作品の解説が行われていました。

      審査員の方が、作家と共に、感想を述べておられました。

      結構、辛口のコメントも多くて、それなりに聞きごたえがありましたよ。

      毎日書道展

       

       


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        イベント ] 久保修さんの展覧会に行ってきました。


         

         

        切り絵画家の久保修さんの伊勢丹新宿本館での展覧会。

        「紙のジャポニスム」

        〜愛でる旬の彩り〜

         

        良かったですよ。

        場所良し、ディスプレイ良し、そして何よりも作品良し。

        今回は新しい作品が多くて見応えありました。

        本当に、一つ一つ紹介したいのですが、写真はダメとのことで、

        展覧会の雰囲気を伝える画像だけお伝えします。

        明日、火曜日までですので、三連休の最後の日に如何でしょう。

         

        久保修さん伊勢丹展覧会2019

         

        久保修さん展覧会

         

        久保修さん展覧会@伊勢丹

         

        久保修さん展覧会@伊勢丹


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        書道 ] 嬉しいニュースが飛び込んできました。永田灌櫻先生が、、、


        JUGEMテーマ:書道

         

        やりました。永田灌櫻先生が、第71回毎日書道展に出品された作品「誓」が。公募部門の最高賞にあたる毎日賞を受賞されました。第69回に続いて、これが、この三年で二回目。昨年の第70回は秀作賞でした。

         

        東京展は、国立新美術館(千代田線乃木坂駅に直結。日比谷線の六本木から4a出口より徒歩5分)

        日時は、7月10日より22日まで。時間は10時から6時までで、入場は5時半まで。

        (火曜日休刊、水曜日は午後一時より。)

         

        作品の画像が入り次第、掲載します。とりあえず、ニュースをお伝えします。


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          イベント ] 切り絵画家「久保修」さんの個展が伊勢丹新宿店で7月10日-16日に。


           

          切り絵画家の久保修さんから、素敵なお葉書を頂いた。

           

          7月10日の水曜日から一週間、16日の火曜日まで、

          伊勢丹新宿店本館6階のアートギャラリーで、

          「紙のジャポニスム」〜愛でる旬の彩り〜

          個展開催の案内でした。

          首都圏にお住まいの方、その頃に東京にいらっしゃる方、見逃す手はないです。

          なお、久保さんのサイン会は7月13日(土)14日(日)の2時から3時だそうです。

           

          夏の花の蓮を濃くなった夏山をバックにして、

          緑のグラデーションが素晴らしい。

          蓮の花というと、僕は、京都の三室戸寺が印象に残っている。

          三室戸寺はアジサイで有名だが、蓮も素晴らしい。

          アジサイと蓮の花は、日本の梅雨を代表する花。

           

          久保修さんは、日本の切り絵画家の最高峰。

          海外にも活動を広げられている。

           

          なお、明日、30日の日曜日、再放送ですがNHKのサラメシで久保さんが出演されるそうです。

          http://www4.nhk.or.jp/salameshi/x/2019-06-25/21/31570/1345710/

          これも、興味深いですね。

           

          私どものブログで昨年、インタビューさせていただかせた記事はこちらです。

          全部で3篇に分かれていますが、内容は濃い記事だと思っております。

           

          http://blog.doyoulikewashi.com/?eid=109

          http://blog.doyoulikewashi.com/?eid=110

          http://blog.doyoulikewashi.com/?eid=111


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            イベント ] 10連休の間、SICFで若手アーティストの作品に触れるのは如何?


            昨年の暮れにインタビューした書家の金森朱音さんからメールをいただいた。

            10連休の間に、SICFという東京青山でのアートフェスティバルに出展されるという。

             

             

            今回は、黒い墨を使った書は一つもなく、アクリル絵の具などでの挑戦だそうだ。

            アートの世界でどういう判断をされるか期待と不安の心境とのこと。

             

            インタビューしたときに、金森さんはこの「生きる」と名付けたこの作品をこのように説明してくださった。

             

            金森朱音

             

            「これは、「生」という字を数えきれないほど重ねて書いてあります。目に見えるものが全てではなく、視界からの情報だけにとらわれずに、指先から感じ、頭の中で想像するのと違ったものが見えるかもしれないということを伝えたかったので、あえて白いキャンバスに白い塗料で書いてあります。ひたすらに「生」という字を重ねて、盛り上がったり尖ったりしている部分に実際に触れて欲しかったので、手を入れて撮影しました。

             

            この作品を書く数週間前に、祖父が亡くなりました。祖父の死を受け入れずにいた私を救ったのがこの作品です。キャンバスに吐き出すことで、自分の感情と向き合うことできました。私にとって表現することは、生きる希望なのだと強く感じています。」

             

            金森朱音

            なお、金森さんのインタビュー記事はこちらからどうぞ。

             

            http://blog.doyoulikewashi.com/?eid=164

            http://blog.doyoulikewashi.com/?eid=166

             

            金森朱音

             

            今回は、他にも数点出展されるようなので、ご興味のある方、お近くの方は、ぜひ、会場まで足を運んでくださればと思う。なお、SICFは、このGW10連休の間に、三回の日程で開催される。金森さんの作品は、5月3日金曜日、4日土曜日に観ることができる。

             

            SICF

             

            SICF◆

            (スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)

            東京・南青山にある「スパイラル」が若手作家の発掘・育成・支援を目的として2000年から開催しているアートフェスティバル。

             

            [会場]

            スパイラルホール(スパイラル3F

            107-0062東京都港区南青山5-6-23

            東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅B1B3出口すぐ

             

            [会期]

            A日程 : 201951日(水・祝)〜2日(木・祝) 11:00-19:00

            B日程 : 201953日(金・祝)〜4日(土・祝) 11:00-19:00

            C日程 : 201955日(日・祝)〜6日(月・振替) 11:00-19:00

             

            [入場料]

            一般/700

            通し券 [ABC日程]1200

            学生/無料 ※SICF公式Facebook Twitter lnstagramに「いいね!」「フォロ ー」で無料(要学生証提示)

            ※スパイラルホールのみ入場料が必要です。

             

            https://www.sicf.jp/

             

            JUGEMテーマ:絵画

             


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            [ - ] 画家山岸恒雄氏の世界


            JUGEMテーマ:絵画

             

            3月21日に紹介した「セザンヌと鉄斎」の著者の山岸恒雄氏が大阪で展覧会を開かれた。

             

            そのことを事前に教えていただいていたのだが、関西に出かける用事がなく、

            観ないうちに終わってしまったのだが、

            先日、山岸氏から出展された作品の写真を送ってくださったので、

            こちらで紹介させていただくことになった。

             

            どの作品も非常に個性的なもので、私が批評を付け加えるなどおこがましい。

            その一方で、何も書かないで画像だけ載せる方が良いのかと迷ってしまう。

            ただ、感じたままを記しておこうと思う。

             

            全体的に言えるのは、どの作品も蒼い色が基調となっていて、

            それが絵に深みを出している。

            この「夏の夜」という絵は、夏の宵闇の中に、青い服の女性が佇んでいるものである。

            手前がやや明るい青で、右奥に黒が滲んだような青を使って遠近感を出している。

            どういう設定で描かれたものかは分からないが、この蒼を使った技法に

            山岸氏の感性が感じられると思う。

             

            山岸恒雄

             

            「滝」と名付けられたこの作品は、

            木漏れの中に滝が描かれている。

            他の作品でも女性が多く描かれていたので、

            この中央の白い部分が女性かと思える。しかし、よく見ると、確かに「滝」である。

            水の流れが感じられる。滝というのは、写真家の小島三樹さんがよく撮られているが、

            静けさの中に水の爆音が響いているのを一枚の紙の上に表していく作業をされるというのは、

            相当難しいものなのだろう。


            山岸恒雄

             

            面白かった作品の一つが「川床」という絵である。

            手前の水たまりの上に、空と雲が映っている。

            その雲が妙に写真的な光かたをしていて、

            実に、新鮮な視点だと思う。

             

            山岸恒雄

             

            そして、私が、最も気になった(気に入った)作品が、こちらである。

            山岸恒雄

             

            この女性の眼が気に入った。眼が生命を感じさせる。

             

            そして、光の当たる方向の肌や喉にあたる部分は

            忠実に白を使って明るさが出ている。そういう形でパースを表現している。

             

            使用されている額も凝っているもので、

            優しさを感じる。最後にリビングまで飾ることを意識した額の選び方だと思う。

            そして、この絵も青にこだわりがあるように感じられる。

             

            次回の展覧会か個展で、ぜひ、直接見てみたいものだ。

            山岸氏の作品には、そう感じさせる何かがあるように思う。

             

            なお、山岸氏の著作「セザンヌと鉄斎」を紹介した当ブログの記事はこちらです。

            http://blog.doyoulikewashi.com/?eid=176

             

             

             

             


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            書道 ] 令和の正しい書き方?


            JUGEMテーマ:書道

             

            令和の発表があった時に感じた違和感は、何だったのかな?

            命令の令が使われていたこともあるが、

            令の字が自分の知っていた字ではなかったからか?

             

            そこのところ、令和の正しい書き方を書道家の永田灌櫻先生が

            YOUTUBEで詳しく説明されている。

            令の字の色々な変化や、和の字の、「のぎへん」の縦画を「跳ねる」かどうかなど、

            漢字に興味のある人には、内容の濃い動画です。

             

            http://www.youtube.com/watch?v=tkr4aV6F-ic&feature=youtu.be

             


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              [ - ] 写経ってやったことありますか?


              JUGEMテーマ:書道

               

              最近、写経というのを始めてみた。「般若心経」を一日一回模写している。

              別に、仏心があるわけでは、全く無い。私には、宗教的なバックグランドは無い。

               

              普通に生活してきたと思っている私には、「お経」というのは葬儀の時に、法衣を纏ったお坊さんが唱えるのを聞くことがあるだけだった。いろいろな方の葬儀で、場合によっては、南無阿弥陀仏であたったり、南無妙法蓮華経であったり、般若心経であったり、失礼な言い方かもしれないが、他人事で聞いていたことが多かった。

               

              その私が、なぜ写経を始めたかというと、夕食後の時間の過ごし方を振り返っていたのである。芸能人のバラエティには興味が全く無いので、我が家では、夕食後にテレビを見るということがない。それでは、本を読むかというと、最近、本の活字が、夜になると読みづらい。一方、連れ合いは、シャンソンの曲の歌詞を、毎日、ノートに書き写して記憶している。既に、それを始めて二年以上経つ。彼女曰く、これは写経みたいなもんで、覚えるのにもいいけれど、心が落ち着くのよと言って、夕食後に、シャンソンの歌詞を書き写している。それだったら、自分は、本物の写経でもやってみるかということで、始めたのがきっかけである。

               

              初めて見ると、心が落ち着くのである。書いているときは、できるだけ何も考えないほうがいいのだろうが、実に、色々なことを考える。筆ペンのインクが少なくなってきている、最近、会っていない家族はどうしているだろうか、健康のこと、、、終わりの方になると、心が急ぎだしているのが分かる。

               

              写経をするには、それなりに、行儀作法があるのだが、私のは、全く自己流。始めるにあたって、写経用紙というのが必要と分かり、ネットで調べて見つけたのが、三井寺園城寺のネットショップで50枚で1000円のものを取り寄せた。書道用具は持っていないので、サインペンでやろうと思ったが、これは、キュッキュッと音がうるさく、筆ペンを使うことにした。先日、東京都立美術館のミュージアムショップで買ってきた。

               

               http://www.shiga-miidera.or.jp/shop/goods02.htm

               

              この三井寺で入手したものは、機械漉きの和紙だが、下敷きに使う硬い紙に、般若心経が印刷されていて、それを、上から書き写すわけである。これを使うと、自分の字が、凄くきれいに美しく(?)見える。少なくとも、悪筆の自分の書いたものには見えない。

               

              下敷きに使う洋紙に書いてある。

              50枚つづりの機械漉き和紙の一枚

               その和紙を下敷きに乗せて上から写す。

               

               

              二月十四日から始めたのだが、一日も欠かさず続けている。全部で、30分かかるかかからないぐらいで終わるのだが、書き終えると、清々しい気持ちになる。これを、1000日続けてみようと思っているが、まずは、最初の50枚を終わらせることだと、短期目標を設定していていたのだが、ほぼ終わりかけている。三井寺には、また、送ってもらった。実際にどのくらい続くかは想像もできないが、4月からも続けてみようとは思っている。

               

              http://www.shiga-miidera.or.jp/shop/goods02.htm

               

               


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              インタビュー ] 「セザンヌと鉄斎」 山岸恒雄


               

               

              山岸氏は、ある大手の電機会社の外国為替に長年携わってこられた方である。その山岸氏が本を出版された。本の名前は、「セザンヌと鉄斎」である。どういう経緯を経て、大手メーカーの外国為替部の統括という外為市場の最先端の要職を勤めておられた方が、美術関係の書籍、それも相当の専門性の高い本を執筆されたのか、実に興味深い。今回、大阪を訪れて、その話を詳しく伺った。海外赴任をされていた時や国内でも時間を見つけて、美術館巡りをされていたそうである。その山岸氏、現在、70歳にならんとしておられる。57歳までは、会社勤めをしていた方である。退職後、美術大学の大学院で勉強され、指導していただいた教授に、研究成果を本にするように勧められたそうだ。退職を契機に、それまでの人生と全く違った方向に進まれている。現在は、自ら筆を執って絵を描かれている。今年の四月には、グループ展も開かれると伺った。山岸氏の生き方や、この本は、これからの退職後の人生を考える人の生き方の指針となるのではないかと思う。

               

              セザンヌと鉄斎 山岸恒雄

               

              ところで、セザンヌも鉄斎も名前は聞いたことがあるが、詳しくは知らないという人が多いのではないだろうか?実際、山岸氏とお会いするまで、筆者も、全くといっていいほど、この二人についての知識は無かった。

               

              そこで、簡単に説明というわけにはいかないのだが、どんな芸術家だったかを、簡単に要約してみる。

               

              セザンヌは、1839年、フランスのエクスという町で産まれた。一般的な説明としては、印象派の画家といわれているが、どうも、単純にはそうではないようである。そして、1906年に67歳で亡くなる。山岸氏の本によれば、「セザンヌは大都会パリに馴染めず、心は常にプロヴァンスの自然と強く結びついていた。」山岸氏は、セザンヌの19歳の時から亡くなるまでの236通の手紙と、セザンヌが友人たちから受け取った手紙や、友人同士の書簡の98通で、今回の研究に重要と思われるものは、原語で読み研究されたそうだ。その中では、ゾラへの書簡が82通と多いのだが、後年、彼とは、絶交する。そのセザンヌの変化なども、学術研究の本というよりも、普通に、読み物としても面白い本である。山岸氏は、すべての手紙を精読されて、その中からセザンヌが抱いていた自然観の変化を読み解いていく。

               

              セザンヌの自然観が東洋的であるというのは、山中で瞑想、画筆を執る前に一時間も瞑想することがあったという。その事をガスケに問われた時のセザンヌの返事は、文明人としての自らを覆っている「容易なもの」を打ち壊して、無邪気、無知に戻らなくてはと説明している。山岸氏は、セザンヌのような自然観が西洋にあっては極めて珍しいということは、それが、ゾラにも、ベルナールにも全く理解されなかったという事実がある程度照明していると、結論づけておられる。

               

              一方、富岡鉄斎は、1836年から1924年にわたって生存・活躍している。鉄斎はセザンヌと正反対に、官に認められて活動している。京都に生まれて、育ち、没している。ちなみに、京都中京区にあるいくつかの店(菓子屋、本屋など)の看板は、鉄斎が描いたものとのこと。特徴がある書体なので、寺町を散策する機会があったら、ぜひ、鑑賞されるのも楽しいと思う。京都では、鉄斎は熱烈に支持されていたそうだ。また、宝塚には、鉄斎美術館がある。

               

              山岸氏は、セザンヌと鉄斎に接点は無かったという。ただ、その同質性については、以前より指摘はあったので、それを、博士論文の研究テーマにされたという。同質性かどうか、分からないが、本の表紙や、中に出てくる作品を眺めてみると、なるほど似ているところがある。

               

              「セザンヌと鉄斎」の口絵より、ポール・セザンヌ『ビペミュスから見たサント・ヴィクトワール山

               

               「セザンヌと鉄斎」の口絵より、富岡鉄斎『夏景山水図』

               

              山岸氏の著書の中には、セザンヌと鉄斎を比較するうえで、‘表顱↓⇔更圈↓3┐畔験悄思想の関係、ご嬰犬箸隆愀検↓ド景画の描き方、生業を考察しながら、この二人の巨匠を分析されている。それによると、反対の生き方や考え方をしているのだが、鉄斎は、「自分の一生には、ただ山を見る楽しみだけがある。」セザンヌは、「自然の事物が常に私に喜びをもってこれらを眺める機会を与えてくれる」ところに、共通点を見出している。

               

              著作の中には、山岸氏の実際の模写や写真、そして、いくつものセザンヌと鉄斎の作品の写真が載せられて、それを見るだけでも面白い。実際、美術館を巡り、絵の描かれた場所を訪ね、そして、書簡を原語で読み、さらに、博士号まで取ってしまう。そして、現在は、絵を描いて楽しんでおられるという。こういう定年後の過ごし方にはびっくりさせられる。氏の話では、大学院では、教授と一対一の原語でセザンヌの手紙を読んだり、日本画の手ほどきを受けたりと、素晴らしいところだと感じたそうだ。よく、第二の人生の過ごし方などというが、実に、興味深い経験談であった。絵画に興味のある方、定年後になにをしようかと迷っておられる方には、ぜひ読んで頂きたい珠玉の名著である。

               

              「セザンヌと鉄斎」同質の感動とその由縁

              著者:山岸恒雄

              思文閣出版

               

               


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